プログラム

3月8日
8:50-9:00 開会の挨拶
9:00-10:30 「量子情報科学の基礎(1)」中田 芳史(京都大学)
休憩15分
10:45-12:15 「量子情報科学の基礎(2)」中田 芳史(京都大学)
昼食休憩
14:00-15:30 「量子エレクトロニクス実験(仮」中島 秀太(京都大学)
休憩15分
15:45-17:15 「超伝導量子コンピュータ」田渕 豊(東京大学)

17:30- メンターセッション

3月9日
9:00-10:30 「量子計算の基礎(1)」藤井 啓祐(大阪大学)
休憩15分
10:45-12:15 「量子計算の基礎(2)」藤井 啓祐(大阪大学)
昼食休憩
14:00-15:30 「量子プログラミング(仮)」鈴木 泰成(NTT)
休憩15分
15:45-17:15 「量子コンピュータを用いた量子化学」水上 渉(大阪大学)

17:30-メンターセッション

3月10日
9:00-10:30 「量子アルゴリズム(1)」 フランソワ ルガル(名古屋大学)
休憩15分
10:45-12:15 「量子アルゴリズム(2)」 フランソワ ルガル(名古屋大学)
昼食休憩
14:00-15:30 「量子物理融合分野(仮」橋本 幸士(大阪大学)
休憩15分
15:45-17:15 「量子物理融合分野(仮」押川 正毅(東京大学)

17:30-ポスターセッション

3月11日
9:00-10:30 「量子の情報理論入門」中田 芳史(京都大学)
休憩15分
10:45-12:15 「量子誤り訂正と誤り耐性量子計算」藤井 啓祐(大阪大学)
昼食休憩
14:00-15:30 「量子情報と熱力学」沙川 貴大 (東京大学)
休憩15分
15:45-17:15 「量子計算量理論入門」河内 亮周(三重大学)

17:30- メンターセッション

講演概要
「量子情報科学の基礎」中田 芳史(京都大学)
 本講義では、今回の春の学校で必要な量子力学の基礎を、復習も兼ねつつ説明する。具体的には、量子力学の三つの構成要素である「量子状態」「量子系における時間発展」「量子測定」の三つを理解することを目的として講義を行う。同時に、それらに関連した量子情報に必須の概念(複合系と純粋化、CPTP写像など)も説明する予定である。時間があれば、量子テレポーテーションや複製不可能定理についても、多くの教科書とは異なる視点から解説したい。

「超伝導量子コンピュータ」田渕 豊(東京大学)
 超伝導量子コンピュータを設計する。超伝導量子コンピュータのチップの設計を通じてその動作原理を理解し、ハードウェアデザインの楽しさと実際の実験に必要なスキルや学習分野の幅とポイントを習得する。

「量子コンピュータを用いた量子化学」水上 渉(大阪大学)
 量子化学計算は量子コンピュータの応用先として最も実用化に近いと言われ、分野を超えた注目を現在集めています。本講演では量子化学の概要説明からはじめ、量子コンピュータ上で量子化学計算をどのように実現するのかを具体的に説明していきます。対比のため古典コンピュータを用いた代表的な量子化学理論についても簡単な説明もおこなう予定です。「量子コンピュータがなぜ量子化学計算で力を発揮するのか?」「量子コンピュータで何ができるようになるのか?」を掴んでいただければと思います。

「量子の情報理論入門」中田 芳史(京都大学)
本講義では「ノイズのある量子通信路を用いて量子情報を送る」ことを考える。例えば、我々がインターネットでデータを伝送する際には、「誤り訂正」という技術で伝送中のノイズを実効的にキャンセルしている。本講義ではその「量子版」、つまり、「量子誤り訂正」を行うことで、量子的な通信路に生じるノイズから量子状態を保護する手法とその限界について説明する。これは「量子シャノン理論」と呼ばれる分野の基礎だが、近年、その手法・発想が物理学にも応用されるなど、幅広い方向へと研究が進んでいる。そのような状況を踏まえ、本講演では細部には拘らず、「気持ち」と「楽しさ」を伝えることを目的とした解説を行う。行えるように努力するが、その試みが成功するかどうかは保証しない。

「量子情報と熱力学」沙川 貴大 (東京大学)
 情報理論におけるエントロピーと熱力学におけるエントロピーは一見すると異なるものであるが、実は両者の間には密接な関係がある。本講演では、量子情報理論における種々のエントロピー(とくに量子KLダイバージェンス)とその性質を解説する。また、熱力学第二法則が情報理論的に「導出」されることを示し、さらに近年注目を集めている「リソース理論」と呼ばれる考え方を紹介する。

「量子計算量理論入門」河内 亮周(三重大学)
 計算量理論(Complexity Theory)は計算機科学の一分野であり,計算機がタスクを行うのに必要十分な計算資源(計算時間,メモリ量,通信量,等)を同定し,計算機の可能性,限界について理解することを目標としている.近年における量子計算機の出現により,その計算能力の真価を理解するために, 新たに量子計算量理論が発展しつつある.本講演では当該分野における重要な成果について概観する.

 ポスター発表リスト: