集中講義/量子コンピュータの基礎と物理との接点

タイトル:「量子コンピュータの基礎と物理との接点」
場所:お茶の水女子大学
講師: 藤井啓祐 (東京大学工学系 助教)
日時:
10月3日(月)10:40-16:30
10月4日(火)10:40-16:30
10月5日(水)10:40-16:30
場所: 理学部3号館会議室(209、208、207)

アブストラクト:
量子コンピュータは,現代物理学の基礎をなす量子力学の原理に従って(最大限に活用して)動作するコンピュータである.本集中講義では,量子情報科学の基礎から始め,量子コンピュータの仕組み,そして量子コンピュータの実装において重要な要素である量子誤り訂正の基礎について解説する.そして,量子誤り訂正を通して量子情報とトポロジカル秩序やスピングラス模型といった物理との接点について理解することを目標とする.

講義スケジュールと講義の内容:

1日目:量子情報・計算の基礎(量子ビット、量子演算、量子計算)[講義ノート]
2日目:スタビライザー形式と量子誤り訂正 [講義ノート]
3日目:物理との接点(トポロジカル符号とトポロジカル相、SPT相、スピングラス模型)[講義ノート]
*線形代数と量子力学の基礎を前提とするが、テンソル積の計算については丁寧に説明す
る。
*時間の都合で一部省略する場合もある。

 

参考文献:

[1] M. A. Nielsen and I. L. Chuang, “Quantum Computation and Quantum Information”, Cambridge university press.”(和訳あり、*が付いている項目以外はカバーしています)
[2]K. Fujii “Quantum Computation with Topological Codes -From Qubit to Topological Fault-Tolerance-”
SpringerBriefs in Mathematical Physics, Vol. 8 (2015) arXiv:1504.01444
[3] スライド「量子計算超入門」(一部を除きだいたい講義内容がカバーされています) [pdf,18.1MB]
[4] スライド「量子計算の基礎」(量子計算基礎のごく一部が含まれています) [pdf,6.7MB]
[5] スライド QIST CQD2015 [day1day2 , day3] (3日目の内容の一部が day3 に含まれています)
[6] C.M. Dawson, and M. A. Nielsen, “The Solovay-Kitaev algorithm”, arXiv preprint quant-ph/0505030 (2005). (Solovay-Kitaevアルゴリズムの最も分かりやすい解説)

さらに勉強したい人へ:

おまけ:Hadamard testの繰り返しによる、ユニタリ演算子の固有状態への射影。ユニタリ演算子は横磁場ランダムイジング模型のハミルトニアンダイナミクス。量子ビット数は6(64次元)。

Hadamard test. 初期状態は固有状態の重ね合わせ状態。1-100回の測定による状態の推移。
Hadamard test. 初期状態は固有状態の重ね合わせ状態。1-100回の測定による状態の推移。
1-1500回目までを表示。長時間極限で一つの固有状態が選ばれる。
1-1500回目までを表示。長時間極限で一つの固有状態が選ばれる。